元禄八年(1695年)、高木仁右衛門がこの地に仏壇専門店「ひろや」を創業したときからといわれています。当時既にかつて宮大工、寺大工職人であった人達が専門化してお仏壇を製造していたものと思われます。 その後、尾張藩による仏壇業者の保護などが今日の発展の基礎となっています。
木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)の水害から仏壇を守るために、台が高く、「まくり(台の前にある持ち上げ式扉)」を備えた宮殿御坊造(くうでんごぼうつくり)という豪華絢爛なつくりが特徴です。
本体は釘を使わず、解体、組み立てが容易にできる「ホゾ組」という技法で、洗濯・修理などお手入れも簡単に行えるという合理性も兼ね備えています。
名古屋仏壇には、「八職」(実際には十一職)と称される職人さんが存在します。「八職」とは、仏壇造りに欠かせない八部門の専門職人たちを総じての呼称で、木地師(きじし)、荘厳師(しょうごんし)、彫刻師(ちょうこくし)、塗り師(ぬりし)、蒔絵師(まきえし)、外金物師(そとかなものし)、内金物師(うちかなものし)、箔置き師(はくおきし)の八部門。これに加えて、天井師(てんじょうし)、呂色師(ろいろし)、仕組師(しくみし)があり、これら全ての職人がそろって1本の仏壇が完成します。
木地師
木材で仏壇の本体を作ります。
荘厳師
荘厳はホゾ組で膨大な数の部品を組み合わせて作られます。
彫刻師
「天女」「花鳥」「龍」「獅子」「羅漢」 など多種多様な意匠を彫り上げます。
天井師
様々なパーツを組み合わせることで特徴的な美しさと精密さを合わせ持つ豪華な天井が作られます。
塗り師
「黒塗り」「朱塗り」「濁塗」など様々な漆を用い「木目出し塗り」や変り塗りなどを交えながら仕上げます。
外金物師
図柄に合わせて鏨(たがね)で模様を刻み込みます。
内金物師
内側を飾る多くの金具も豪華さを演出します。
蒔絵師
様々な絵柄や紋を「本金消粉」などの材料を使い豪華で繊細に描きます。
箔置き師
前戸裏や彫刻などに0.0001mm~0.0002mmまで伸ばされた金箔を正確に貼り付けていきます。
呂色師
呂色塗で塗り上げられた面を炭で研ぎ、漆を塗り拭き上げる工程を繰り返し鏡の様に美しい面に仕上げます。
仕組師
工程順に受け渡し、回収し1本の仏壇に組み上げる最終工程を担います。
『洗濯』 仏壇の汚れ落としをすること。すべてのパーツを分解して掃除する。
『まくり』 台の前にある持ち上げ式扉
『ホゾ組』 材木に凹凸をつけて組み合わせて仕上げる釘を使わない方法
名古屋仏壇商工協同組合
〒460-0016
名古屋市中区橘1-6-5
TEL:052-321-5608